あれほど楽しみにしていた旅行だったのに、終盤になると心の中にふわりと、ぽつんと、名残惜しさが芽生えてくる。にぎやかに動いていた日々がゆっくりと静まっていく、そんなときに訪れる「寂しさ」。今回は、そんな“旅の終わりの寂しい瞬間”を、私の体験も交えて5つ、紹介したいと思います。
目次
### 1. Googleマップのピンを外すとき
旅の前に、訪れたい場所をGoogleマップでせっせとピン留めしてきた。もしくは訪れたタイミングで後から思い出せるように保存することもある。あの日あのとき、知らない街のカフェで飲んだラテ。偶然たどり着いたバザール。現地の人と会話した路地裏のレストラン。どれも、地図の上に小さな記憶として刻まれていた。でも帰国後ブログを書いたり、見直してもうこのピンはいいかなという感じになると1個づつピンを外すことがある。ピンを1つずつ外していくたびに、記憶が遠ざかっていくような、少し胸の奥がキュッとするような感覚になる。地図はまた、静かに元の何の印もない状態に戻っていく。
### 2. 写真を整理して、携帯から消すとき
旅のあいだ、何百枚もの写真を撮った。食べたもの、景色、人々の笑顔、自分の後ろ姿。帰国の飛行機の中や、家に着いたあと、良いのだけを残してクラウドストレージにアップロードする。そしてスマホ端末の写真を整理する時間がやってくる。クラウドに保存できたことを確認したら、スマホの容量を空けるために削除していく。わかってる。ちゃんと保存してあるから、また見られるということは…。でもスマホから消してしまうと、なぜだか「旅の時間」そのものが、自分から離れていってしまう気がする。
### 3. 日本語が聞こえてくる瞬間
空港のゲート近く。これから乗る飛行機は、日本方面行き(ウズベキスタンからの帰りは韓国経由だったが)。どこからともなく日本語であふれている。「おつかれさま」「まだ空いてるかな?」「これお土産にいいかも」耳に馴染んだ言葉たちは、なぜか今はまだ少しだけ聞きたくない。つい昨日まで、別の国の空気を吸い、異国のリズムで過ごしていた自分にとって、それはまるで“日常への回帰”の合図。安心もあるけれど、やっぱり少しだけ寂しい。「ああ、帰るんだな」と思わせられる(涙)
### 4. 明日からの予定を確認するとき
旅中はあえて見ないようにしていたカレンダーアプリを、ついに開く。通知バッジがいくつか溜まっていて、明日からの予定がそこに並んでいる。あのミーティング、この締切、久しぶりの通勤時間。数時間後には、日常がすぐそこまで迫っている。もちろん、帰る家があり、仕事があり、待ってくれている人がいるのはありがたい。でも、旅の空気が身体に染み込んでいる今、すぐに日常に戻れる気がしない。旅モードの心を、現実へ引き戻すには少しだけ時間がかかる。それを知っているからこそ、スケジュール表を眺める手がほんの少し止まってしまう。
### 5. スーツケース(リュック)を片づけるとき
最後の寂しい瞬間は、家に帰ってからやってくる。旅の荷物を、ひとつずつ取り出し、洗濯かごに入れて、スーツケースとかリュックを元の場所に戻すあの瞬間。
サンダルについた砂、バッグの奥に残っていたレシート、よく見ると外国のコインが入っている小銭入れ。すべてが旅の証し。でもそれらを片付けていくうちに、旅のかけらが生活の中に吸い込まれていって、やがて薄れていくのがわかる。旅の終わりに感じる寂しさは、すべてが「楽しかった証拠」だと思う。 心の中に残った風景、人の声、食べ物の香り。これからの日常のどこかで、ふとよみがえってくるかもしれない。 そうしてまた、「次はどこに行こうか」と考え始める。
旅は、終わりがあるからこそ、愛おしいのよね。
分かってるけど、淋しいのです。
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