ウズベキスタン一人旅シリーズ①:旅の準備は心の調律
今年のゴールデンウィーク、私は中央アジアへ旅立つ。行き先はウズベキスタン。青の都サマルカンド、シルクロードの香りが漂う街並み…まったく知らない風景なんだろうな。東南アジアならなんとなく想像ができるけど、今度ばかりはまったく思い浮かばない。
東南アジアをひととおり巡ってきた今、新しい刺激と未知の空気を求めて選んだ行き先だった。
フライトはアシアナ航空。
まずは新幹線でいつものごとく 広島から福岡に行く。福岡空港から韓国・仁川に渡り、そこからタシュケント行きの便に乗り継ぐ。
最初に降り立つのは首都タシュケントだが、そこに長居はせず1泊したあとすぐにヒバへ飛ぶ。そこからウズベキスタンを横断するように、ヒバ1泊 → ブハラ2泊 → サマルカンド2泊 → タシュケント1泊、というルートを予定している。移動には長距離列車を使うつもりで、今夜(4/25)はその寝台列車の予約も完了した。英語対応の予約サイトで、驚くほどスムーズ。UIもシンプルで、これまでの海外鉄道予約の中でも一、二を争う快適さだった。もうこの時点で、旅の半分は始まっているような気持ち。※この予約の仕方はまた違う記事を書きます
そしてこの旅、実はぎりぎりまで「行けるかどうか分からない」状態だった。というのも、今月初旬に蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症し、右ひざに強い痛みと腫れが出てしまったのだ。実は先週までは、本当に憂鬱な気持ちでいっぱいだった。足の傷は想像以上に深く、膝が伸ばしきれなくてへんな歩き方だから疲れてしまっていた。30代も後半なので(笑)、なんでか傷口の治りが遅くてイライラする。
このままでは旅に出るなんて無理かもしれないとさすがに思ったし、家族からも今回はやめなさいよと何度も言われていた。航空券のキャンセルポリシーを読みながら、「ああ、無駄になってしまうのか…」とため息が出るような日々。フライトを予約したのは去年の11月だったから半年も楽しみにしていたはずの旅なのに、どこか遠ざかっていくような、不安とがっかりが入り混じった気持ちに支配されていた。
でも行きたいという気持ちを諦めきれず、できる限り治療に専念して、ついに出発前には無事完治…とまではいかないが、なんとか旅行ができる状態にまで回復させることができた。ちなみに 皮膚科の先生は苦笑していたが 止めることはなかった。『土曜日にまとめて取りに来られるように薬を用意しておくね』ww
ただこの「なんとか間に合わせる」という工程もまた、旅の一部なのかもしれない、なーんて思ったりもするのだ。
そもそも旅は…というか人生の全てがそうかもしれないけど…すべての条件が完璧に揃うことなんてほとんどなくて、体調も運も天気も、常にどこか不安定な中で「それでも行く」という選択をしている。だからこそ、行けたときの喜びはひとしおだし、たとえ途中で予定が変わっても、それも旅のストーリーとして残る。この間 ラオスに行った時も結局 後半はリモートの仕事ばかりして、思うように観光がしきれなくて 心残りだったということがあった。でもそれはそれで その瞬間の私ができるベストは尽くしたと思うし、歯がゆさが残ることもまた思い出に残ると思った。ラオスに関してはどうせまた行くだろう。
よくよく考えてみたら、私はまだ出発もしていないのに、準備段階のことだけでこんなにたくさんブログを書こうとしているんですよね。パッキングのこと、列車の予約のこと、行き先のこと、気持ちのアップダウン……ひとつひとつが全部楽しくて、つい文章にしたくなってしまう。自分でも笑っちゃうくらい、旅に関するすべてのことが好きなんだなって、改めて思います。出発直前のワクワクも、ちょっとした不安も、荷物を整える時間も、全部含めて「旅」!そして、こんなふうに旅の前から気持ちが動いているのって、私にとってすごく幸せなことだなあと、しみじみ思いました。
私はパッキングが大好き(唐突)。
リュックを開けるたびに心が整っていく感じがする。今回も、サングラス、帽子、強い日差しと寒暖差に対応できる重ね着アイテム、そして最低限のスキンケアとメイク道具を用意。長時間の移動や機内泊もあるので超カジュアルで、モスクなどに出入りできる 露出度の低いものを選ぶ。今回は足が心配なこともあるので とにかく 極力 軽量化したリュックで行く+歩きすぎないというのが 私の旅のテーマになりそう。
旅の準備って、単に荷物をまとめる作業じゃないと思っている。これから出会う風景や人、出来事を想像しながら「未来の自分」に贈るための時間だ。たった一枚のシャツや、一足の靴が、その土地の空気をどう感じるかを左右することもある。だから、私はこのパッキングの時間が本当に好き。予定を詰めすぎず、でも安心感は欲しい。そのバランスを探る作業が、まさに“心の調律”だ。そんなに何枚も服を持っていけないから 1枚だけのジーンズとシャツ 3〜4枚だけ。機動力が下がるからスーツケースは使わない。
そして今夜、予約した寝台列車のチケットを手にしてふと思った。
海外の鉄道を予約しているときって、本当に頭が冴える。日本で日常的にしていることとは違うからこそ、どこか高揚感があって、ちょっとだけ自分が“冒険者”になったような気持ちになる。まあね、ぬくぬくとインターネット使って楽勝で切符購入してる時点でそんなに 冒険感というのもないのかもしれないけど…。しかも今回は寝台車。乗るのは日中なんだけど 寝台車。だらだらゴロゴロしながら移動できて、うとうとから目が覚めたら違う街にいるなんて、もう最高すぎる。
旅に出るたびに、「ああ、やっぱり私はこういう時間が好きだな」と再確認する。非日常の中に飛び込むこと、準備のプロセスからもうワクワクすること、自分の知らない自分に出会うかもしれないこと。 旅先で感じるストレス だって それはそれで面白い。
ところでまた蛇足なんだけど。
旅に出る前に、行き先についてめちゃくちゃ細かく動画やブログを見漁って、あらかじめ学習してから行く人もいるけど、私はそういうスタイルじゃない。もちろん基本的な情報や気をつけるべきことは調べるけど、景色とか街の様子とか、そういうものはできるだけ先に見たくないなと思っている。だって、あまりにリアルな映像で見てしまうと、自分の旅が「なぞり作業」みたいになってしまいそうで嫌なんだもん。
自分の目で初めて見たときに、自分の感想を持ちたい。
そのときに感じる「うわあ……!」とか「思ったより小さい!」とか、そういう生の感情を大事にしたい。だから、インスタもあんまり見ないし、YouTubeも必要最低限しか見ない。地図とか路線バスの情報とか、生活に直結するところだけ押さえて、あとは現地に行ってから感じる、っていうのを意識してる。
こういう旅の準備の仕方って、たぶん性格がけっこう出るなと思う。安心材料をたくさん集めてから動きたい人もいるし、私みたいに「真っさらな目で見たい」って思う人もいる。どっちがいいとかじゃなくて、どっちのスタイルが自分に合っているか、だけなんだろうなと思う。
この「ウズベキスタン一人旅シリーズ」では、出発から帰国までを数回に分けて綴っていくつもりです。はやく出国したいんだけどまだ日本ですw
正直なところこれを書きながら、もう~~~早く行きたくて行きたくてたまらない。気持ちは完全に旅モードなんだけど、きょうはどうしても行かないといけない用事が残っていて、そこだけはちゃんとこなさないといけない。
それにしても、私は昔から「遠足の前夜」が本当にダメなんです。もう興奮して全然眠れない。子どもの頃からずっとそう。大人になって旅慣れても、これだけは全然変わらない。だから正直なところ、薬局で売っている市販の睡眠導入剤は、旅前には欠かせないアイテムになっています。ちょっと笑っちゃうけど、そうでもしないとほんとに寝られないんですよね。
日曜日の夜は予定がないし、いっそ先に博多に行って前泊しちゃおうかな、なんて考えた。でも、やっぱりホテル代ももったいないしな…と踏みとどまりました。それに、新しいホテルに泊まれば泊まるほど、一泊目って私、さらに寝つきが悪くなっちゃうんですよね。ただでさえ興奮してるのに、場所が変わったらもう完全に寝不足コース確定だなと思って、今回はやめることにしましたw
長くなったのでこのあたりで。