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ウズベキスタン一人旅シリーズ⑦まるで世界史の資料集のなか!聖都ヒヴァの街並みは圧巻。名物も美味しい!

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ウズベキスタン一人旅シリーズ⑦まるで世界史の資料集のなか!聖都ヒヴァの街並みは圧巻。名物も美味しい!

長い事トロリーバスに揺られた。何を育ててるのかよくわからない 畑が多かった。畜産はあまり見かけず 牛を2頭を見ただけだった。珍しい乗り物に乗りたかったと言っても とろり バスが乗ってしまえば普通のバスと乗り心地は同じである。笑

そんなこんなでヒヴァに到着してしまった。トロリーバスは城壁都市の目の前、イチャンカラの入口あたりで停まった。周囲には何人かの観光客もいて、どうやらここがメインの入口のひとつらしい。重たいバックパックを背負ったままの状態で、この中をゆっくり歩くのもなあ…と一瞬は思ったけど、せっかく目の前まで来ているのだから、まずは中に入ってみることにした。

ヒヴァの旧市街地にはいくつかの出入り口があるようで、入場料がかかるゲートとかからない門があるらしい。でも、実際どこがどうなのかは現地ではすごく分かりづらい。わたしが入った門はどうやら無料のところだったようで、中に入ることはできたけど、各所の歴史的な建物やモスクなどには入場券が必要で、チケットがないと入れなかった。だから何度も「え、ここも入れないの?あれ?どこで買うの?」と、地味に右往左往してしまった。

中に入ってまず感じたのは「圧倒的な異国感」。どう言葉にしていいかわからない。アグラバーの都を模したような、ディズニーシーのアラビアンコーストのエリアをそのまま拡大して、本物の歴史というか、時間の重みをのせたような、そんな世界。もちろん、ここは完全に現実の街で、何百年も前から人々が暮らしてきた歴史が詰まっているのだけど…どこか現実感を忘れるような不思議な空間でもあった。何がすごいかってその世界遺産の町の中に3000人が暮らしているということだろう。

土と草を何層にも重ねて作られた、分厚い城壁。城壁と言っても厚みが6メートルもある。だから中に入るのもトンネルを抜けるような感じだ。温かい茶色のその色合いのなか、歩いているだけで心が高鳴る。中心に向かって進んでいくと、少しずつ人が増え、観光客が現れ、お土産屋さんやレストラン、カフェなんかも見えてきた。民族衣装…というか、素敵なスカーフとワンピースをまとった女性たち、地元の子どもたち、観光客を引き寄せるような刺繍の布。

まるで世界史の資料集の中に迷い込んでしまったみたいだった。ページをめくると出てくる“隊商都市”の写真、その中のどこかでカメラマンの目線の先にいた人物として自分が入り込んでしまったみたいでおかしさすら込み上げてくる。

お土産物屋さんがずらりと並ぶエリアに出た。でも驚いたのは、どのお店にも値札というものが一切見当たらないこと。すべては交渉、つまり言い値からの値切りが前提になっている。旅慣れた人ならワクワクするようなスタイルかもしれないけれど、しばらくお土産を買うということをしてない私としてはちょっとハードルが高かった。(毎回全然ものを買わない)

この日は思っていた以上に寒くて、風も冷たくて、もう首元がスースーして仕方なかった。そこで軒先に吊るされていた色とりどりのスカーフの中からひとつを手に取ってみた。お店のおばさんがにこにこしながら「60,000スムだよ」と言ってきた。とっさに「ちょっと高いな」と思って「50,000じゃだめ?」と聞いてみたら、なんとなくOKっぽい反応をしてくれた気がした。よし、うまく交渉できたぞ…と思ってお金を渡した。200,000スムのお札しかなくて、大きい額でごめんと思いながら渡した。お釣りが140,000スムしか返ってこなくて「ありがとう」って言われて、そこで気づいた。あ、これ…60,000スム払って終わってるわ。ぜんぜん交渉成立してなかったんだわな。笑

まあいい。日本円で600円ちょっと。たぶん地元価格で考えたら相当高いんだろうけど笑、自分の懐がすごく痛んだわけでもないし、それよりもその場でおばさんが手際よくスカーフを首に巻いてくれたあの感じがすごく嬉しかった。旅先で誰かが自分に直接触れてくれるあたたかさって、なんか心に残るんだよね。寒さもしのげたし、むしろちょっと得した気分だった。

しばらく旧市街を歩き回っていたけれど、さすがに朝早くからの移動で疲れてきた。重たいバックパックも効いてるし、ちょっと休憩したくなって、一旦ホテルに向かうことにした。事前に読んだ情報だと、ヒヴァでは配車アプリがまだ使えないと書いてあったんだけど、ダメ元でYandex Goを開いてみたら、あれ?何台かウロウロしてるタクシーが表示されるじゃん。ラッキー。無事に呼べて乗れた。1㌔ぐらいの移動ということもあって5000スムだった。100円してないということ?

こういう瞬間にすごく感じるけど、この国って本当に発展が早いというか…整備はされ切ってなくて、まさにいま変化の途中という感じなのかもしれない。特に観光に関する環境の変化はすごく速くて、数ヶ月前のブログですらすでに「古い情報」になってる可能性がある。旅人にとってはちょっとしたサプライズだけど、こういう変化の渦中にいる街って、なんだかエネルギーがあるというか、、、

ホテルに着いてみると、まず驚いたのは「レセプションがない」こと。普通に建物の前で「えっ、どこから入るの?」ってしばし立ち尽くす。入り口ぽいところから侵入してみると共用部の素敵なキッチンを発見。そこにちょうど先に宿泊していた別のゲストの方がいて、Wi-Fiパスワードとか教えてくれた。「もしかしてあなた、今日から泊まる人?」「オーナーと連絡とるね」と助け舟を出してくれた。みんなWhatsappでやりとりしてるらしい。めちゃくちゃありがたい。オーナーさんとその人がメッセージでやりとりしてくれて、「あなたの部屋、多分ここだよ」って…伝聞で伝えられて案内される感じもなんだか面白い。

部屋でしばらくゴロゴロしてスマホも自分も充電。外の寒さが身に染みたせいか、だんだんお腹が空いてきたので、徒歩5分ほどの場所にあったレストランに行ってみることにした。外から中の様子が全然わからなくて、どんな料理があるのかも読めないまま入ったんだけど、これが大当たりだった。

ウズベキスタンでは、いわゆる“カジュアルなカフェ”みたいな形態があまりなくて、ちゃんとしたレストランスタイルが多いのかもしれない。広々としたソファ、食器もガラスのコップも全部きちんとしているから、第一印象は「高そう…」ってなる。でも実際のところ、値段はすごく手頃。日本の感覚だとちょっとしたギャップに驚かされる。

ここで食べたのは、ヒヴァ名物の「シュヴィト・オシュ」という緑色の麺料理。ぱっと見、まるで抹茶そばみたいな色をしていて驚くんだけど、実はこれはディル(ウイキョウの葉)を練り込んだ手打ち麺らしい。ふわっと香るディルの香りがなんともエスニックで、最初は戸惑うんだけど、食べ進めるうちにどんどんクセになっていく。上には炒めた玉ねぎやおそらく羊肉?のソースがかかっていて、それを混ぜながら食べるスタイル。ほんのり塩気があって、麺のもちもち感と絶妙に合っている。日本ではまず味わえないタイプの味で、あえてあるヨーグルトのような白い別なソースも本当にたまらない美味しさ。

そしてシャシリクは、羊肉の串焼き。注文するときは1本5万スムと聞いていたので、小ぶりなものを想像していたのだけど、運ばれてきたのは想像の何倍もある大〜〜きな串で、びっくりしてしまった。もっとパサパサしていて、ただ炭火で焼いただけの素朴な味かと思っていたら、まったく違う。しっかりと濃い味のタレに漬け込まれていて、肉の奥までしっかり味が染みている。しょっぱいほど。そのまま火で焼かれているので、表面は香ばしく、中はジューシーで柔らかい。羊特有のクセはまったくといっていいほどない。香草の香りが食欲をそそる。これは正直、予想を超えるおいしさだった。

お腹もいっぱいになって、もう一度イチャンカラの中に戻ってみることにした。朝はどんよりしていた空もだんだん晴れてきて、少し日差しが差すようになってきた。空が青くなると、街全体の印象がガラッと変わるから不思議。建物の土色に、青空と雲のコントラストが映えていて、その中にところどころ入っている鮮やかなブルーのタイルが、まるで光っているように感じた。

ずっと写真で見ていた、ヒヴァで一番有名なあの太くて背の低いミナレットも、ついに目の前に現れた。イチャン・カラの中でもひときわ目を引く、太くて低い円柱型の塔。これは「カルタ・ミノル」と呼ばれる未完のミナレットだそうで、今でも26メートルの高さがあるけれど、本来はもっともっと高くなる予定だったらしい。実際に見てみると、その存在感には圧倒される。実は青い色は1色ではなくて近づいてよく見ると 青や白や水色のタイルが張り巡らされている。 日に当たると キラキラするのが美しいです。

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THE EVERGREEN HOSTELのオーナー・はづきです。 The owner of THE EVERGREEN HOSTEL.Thank you for reading our blog.