そういえば友達からなんで急にウズベキスタン?と聞かれたんだった。
東南アジアをぐるぐる旅してきた私にとって、今回のウズベキスタン行きはちょっとした節目でもある。ASEAN諸国をすべて訪れ、マレーシアやブルネイではイスラム建築の美しさに心を打たれ、次にどこへ行こうかと考えたときに――自然と「もっと広い世界を見たい」という気持ちが湧いてきた。
また去年のちょうど今頃・モンゴル乗馬旅を経たことで、東アジアから中央アジアにかけての広大な土地への興味も高まっていた。7泊というまとまった時間がとれるなら、せっかくだから“ちょっと遠い場所”に行きたい。そんな思いもあり、候補に挙がったのが中央アジアの国々だった。
調べていくうちにわかったこと。
ウズベキスタンをはじめ、中央アジアの多くの国は日本に対してとても好意的だということ。これは、日本が長年ODA(政府開発援助)や技術支援などを続けてきた結果らしい。どこかでそういう背景があると思うと、旅先での出会いもきっと温かいものになるだろうと期待が膨らんだ。
さらに、Twitterでちらほら目にする「ウズベキスタンは海外旅行初心者にもオススメ(それぐらい治安がよいのだ)」という投稿がたまたまタイムラインに流れてきてタイムリーに目にした。英語はあまり通じないけど、それを補って余りあるくらい、現地の人が親切だという評判。本当かどうかわからないけど、これも私の背中をぐっと押した。
そして最後に決め手になったのは、「シルクロード」という響き!小さい頃、社会科の授業で習ったあの、東西を結ぶ壮大な交易路。前も何度もブログに書いたかもしれないが、教科書に載ってた単語を目の前にすると感動するものだ。実際にそこがどんな景色なのか、どんな空気が流れているのか、想像できるかといったら全然できない。
――だからこそ、自分の目で見てみたすぎる。気になる。
ウズベキスタンってどんな国?
行き先を決めた後は、旅をより味わうために、しっかり事前情報も頭に入れることにした。かなり直前の付け焼刃的な予習になってしまったが、しないより全然いい。
まず、ウズベキスタンは国土が日本の約1.2倍。そこに約3,600万人が暮らしている。…要するにウズベキスタンの国土面積は日本の約1.2倍ですが、人口密度は日本の約1/4。
最大の特徴は「二重内陸国」であること。つまり、隣国すべてが内陸国であり、そこからさらに海に出るためには、また別の国を通らなければならない。これは世界に2個しかないらしい。ウズベキスタンとリヒテンシュタインの2ヵ国しかないんだそう。こういう「ちょっと変わった地理的条件」って、地味に旅心をくすぐる。興奮ポイントです。
宗教面では、ウズベキスタンの人口の96.3%がイスラム教徒(主にスンナ派)。とはいえ、いわゆる厳格なイスラム国家とは少し違い、かなり緩やかで寛容な空気感があるらしい。これは実際に旅して肌で感じたい部分。マレーシアやブルネイにおけるイスラム教とはだいぶ違うはず。
そして今回の旅で、5つある世界文化遺産のうち3か所を巡る予定にしている。
古都ヒヴァ、ブハラ、サマルカンド。
どれもかつてシルクロードの要衝として栄えた都市たちだ。名前を聞くだけで胸が高鳴る。「オアシス都市」と聞くだけで興奮する。
言葉と文字について
個人的に興味をそそられたのが、ウズベキスタンの「文字文化」。
現在、ウズベク語はラテン文字(英語と同じアルファベット表記)が基本になっているけど、キリル文字(ロシア語のアルファベット)やアラビア文字も使われている。つまり、音声としての「言葉」が先にあって、それをどう表記するかが時代や統治者(あとは地域?)によって変わりうる、ということだ。
日本語は言葉と文字がほぼ一体化しているから、こういう「表記方法の違い」に普段あまり意識が向かない。でも、ウズベキスタンのような国に触れると、言葉そのものの在り方についても考えさせられる。旅って、こういう文化的な発見があるから面白い。