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日本の“おもてなし”レベルがしんどいレベル?ウズベキスタンから帰国してすぐ感じた文化の違い

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日本の“おもてなし”レベルがしんどいレベル?ウズベキスタンから帰国してすぐ感じた文化の違い


今回ウズベキスタンを旅していろいろ街中をうろうろ歩いていたりする中での体験が、私の中にずっとくすぶっていたモヤモヤを一気に言語化してくれた。結論から言うと、「日本、ちょっと丁寧すぎる、無駄に」ってこと。

このブログはウズベキスタン滞在記…というよりも、それをきっかけにふと思った「日本的すぎる接客やサービス文化って、なんか変じゃない?」という気付きについて、文化比較的な視点も交えながら書いていこうと思う。


段ボールは投げて運ぶもんだ

まず、これを読んでいる人に想像してほしい。

あなたがホステルの共用スペースでくつろいでいるとする。そこに、宿のスタッフが荷物を運び込んでくる。まあまあ大きい段ボール箱を、えいやっと無造作に投げる。もしくは街歩きしていて、2階に運びたい荷物を、2階にいるひとにブン投げることで「運搬」する。ただ周囲の誰も驚かないし、本人も涼しい顔をしてる。なにこれ?普通にちょっと笑った。

もちろん中身が壊れ物じゃなければ、それでいいのだ。合理的だし、効率的。少なくとも「投げたら怒られるから抱えて運ぼう」とかいう無駄な気遣いはゼロ。しかも、それで何か問題が起きたとしても、「あーやっちゃったね」くらいのノリで済むのだろうな。少なくとも、上司に始末書を求められたり、接客マナー講習を再受講させられるようなことはないだろう。…いや、ほんと日本ならありえんわ。(労災リスクも高いので投げたらダメなことはもちろんわかってますよ笑)


日本の「おもてなし」は、もはや呪いかもしれない

先日、日本で「おもてなし研修」の講師をやっている人と打ち合わせをしたという都内有名企業勤務の友達の話を聞いて腰を抜かした。その中で飛び出したワードがこれ。

「ホテルの靴べらの長さが“おもてなし”の度合いを測る一つの指標なんです」

いや、長い靴べらのどこが“おもてなし”なのか全然わからん。そんなこと気にしてるの、お前とホテル業界の一部のオタクだけやろ!?って思ったし、内心「うわ、なんか気持ち悪い…」ってわたしもガチで思った(失礼ですみません)。ただ本当に、こういう“意味不明な丁寧さ”が、日本のサービス業界には蔓延していると思う。しかもそれが、研修で教えられ、企業文化になり、気づけば全国どこでも同じような気遣いが求められるようになる。

まさに“丁寧のインフレーション”である。物価じゃないところでも基準が上がっていくのやめてくれんかw


丁寧のインフレに巻き込まれて

思い返すと、私もかつて“新入社員研修でCS(カスタマー・サービス)を教わる側”だった時代がある。新卒ではいった企業でそういうのあったと思う。でも、そういうことにこだわりすぎるあまり、“人間としての自然なふるまい”がどんどん失われていく気がする。


海外のホステルで見た“自然体”

話をホステルに戻そう。

ここで働くスタッフたちはみんなすごくフレンドリーだし、ゲストとの距離感も抜群にちょうどいい。笑顔で挨拶して、必要なら助けてくれるし、でも必要以上に干渉しない。マニュアルで決まっている“笑顔の作り方”じゃなくて、ちゃんと“人間の笑顔”

例えば、私がコモンスペースのソファでゴロゴロしてたら特になにも言わない。でもなんかちょっとスタッフを探してるみたいな顔を感じたら「どしたん」的な感じで構ってくれようとする。飲食店もおなじ。過剰に笑顔とかはないしなんなら不愛想。でも目が合ったら「Is everything ok?」とか聞きに来てくれる。無駄がなくて、気取ってなくて、なんだかすごくラク。それが「心地よい」ってことなんだなって、久々に体で感じた。

考えてみれば、日本って「普通にしてたら不合格」みたいな文化がある。挨拶一つ、身だしなみ一つ、荷物の渡し方一つにまで「正解」が決まっていて、それに従っていないと“印象が悪い”とか“マナー違反”とか言われてしまう。それを内面化しすぎた結果、「どうすれば失礼にならないか」ばかりを気にして、「どうしたら自分も相手も快適か」という根本を考えなくなっている気がする。ルールに従うことが正解なのじゃなくて、それは本来手段でしかないのに。。

これって、おもてなしという名の「気遣いごっこ」になってない?

もちろん、丁寧な接客やサービスが全否定されるべきとは思わない。けれど、「それ、本当に相手のためになってる?」「オタクの領域になってない?」って一度立ち止まってみてもいいと思う。“丁寧さ”って、相手のニーズや文脈があって初めて成立するはずなのに、それが置き去りにされて“形式だけが生き残ってる”のが日本の現状なんじゃないかと思う。


ちなみに、私は“ポカホンタス”にはなりたくない

ここまで読んで「いや、お前ただの海外かぶれじゃん」って思った人もいるかもしれない。実際、私も一瞬そう思った。

ネットスラングで「ポカホンタス」というのがある。これは、留学経験があるとか海外生活にかぶれて、何かにつけて「海外では〜」「日本って変だよね〜」と言い出す、ちょっと意識高い系の日本人女性を揶揄する言葉らしい(ネーミングセンスに嫉妬する)。

私はできればそういう存在にはなりたくないwウザいじゃないかw
だから、これも“文化比較”というよりは、自分自身の違和感を正直に書いたメモくらいに受け取ってもらえたらうれしい。

ただ本当にこういうことって、異文化に触れてみないと気づくことが難しいと思う。段ボールを投げて運ぶ自由さや、靴べらの長さなんて気にしない合理性、挨拶ひとつでフレンドリーになれる空気…。それが心地よかった時に初めて、「あ、私、日本ではやりすぎなんじゃない?」ってマナー講師のひとも分かるんじゃないかな。その疲れって、単に忙しかったとかストレスがあったとかじゃなくて、「ちゃんとしてなきゃいけない」という圧にずっとさらされていたことへの疲れだったりするんじゃないか。


終わりに:もっと“ゆるくていい”を許したい

海外放浪をきっかけに、日本の「過剰な丁寧さ」や「おもてなし文化」について考えることができた。もちろん、これはあくまで一人の旅人の視点にすぎない。でもきっと、私と同じように「もっと力を抜いてもいいんじゃない?」と思ってる人もいるはず。丁寧すぎる日本のサービス業界に、少しずつでも「ちょうどよさ」や「自然体」が戻ってくることを、願ってやまない。

ちなみにわたしのホステルは掃除とベッドメイク以外は全部結構ユルいです。お客さまとの雑談いっぱいしてね~って言ってますw

Author

THE EVERGREEN HOSTELのオーナー・はづきです。 The owner of THE EVERGREEN HOSTEL.Thank you for reading our blog.