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「コンフォートゾーン」を抜けたその先にある語学の楽しさ

今日は、週に一度の多言語クラブの集まりがありました。旅行のときを除いて2カ月ぐらいほぼ毎週参加してきましたが、いつも自己紹介の際にはスペイン語を選んでいました。一応それは大学時代、スペイン語にはかなりの時間を費やしていて、文法も読み書きもかなりやっていたから、比較的なじみのある言語だからです。けれど、「話す」ことにはあまり重点を置いてこなかったので、結果的に一方通行な知識になってしまった気がします。
そんな私ですが、今日はふと思い立って、自己紹介を中国語でやってみたんです。そう、中国語。全くのゼロスタート。最近ちょっとだけきき始めたばかりの言語。正直、緊張しました。けれど、ものすごくワクワクもしていました。新しく来られる方が中国出身ということもあるし、あとは単純に先週の集まりでおおく中国語を聞いたからなんとなくそのチョイスをしたというものです。聞いたことのある挨拶「大家好。Dàjiā hǎo.」とか、簡単なもので、とても近況報告とか雑談はできないのでパス。。。
完璧じゃない。でも通じた!その喜び
発音はめちゃくちゃだったと思いますし、そもそも文も合っていたかどうかは怪しい。しかも、いいたかった6個の文章のうち最後の2個は思い出せなかったし!!悔しい!笑






↑ あああこんなに自前の読み方(聞こえた通り)をメモしていっぱい練習したけど、覚えられなかった。笑
でも、自己紹介の短い一言がちゃんと通じた瞬間の嬉しさといったら!英語でもスペイン語でも、最初の頃はこんな風に「伝わったこと」に感動していたはずなのに、今ではそれが“当たり前”になってしまっていたんですよね。英語についてはTOEICのスコアもそれなりに取りましたし、日常会話で困ることはもうほとんどありません。外国人の友人とも雑談できるし、海外旅行で道に迷っても何とかなります。でも、「できるようになってしまった」ことで、ある意味では感動が薄れていたのも事実。
それに比べて、まったく未知の中国語。ゼロからスタートするというのは、怖さもあるけど、そのぶん新鮮さと達成感が段違いです。
知っている言語から抜け出すことの意味
私たちは、どうしても「自分がすでに少しはできる」と思える範囲内で語学をやろうとしがちです。間違えたくない、恥をかきたくない、分からないと思われたくない。だから、知っている単語だけで文章を組み立てたり、通じると分かっている表現ばかり使ったりします。でも、それではなかなか成長できない。
語学って、やっぱりコンフォートゾーン(=安心領域)を抜ける勇気が必要なんですよね。慣れ親しんだ言語から飛び出して、まったく知らない音、文字、発音、文法に触れること。最初は失敗して当たり前。だけど、その失敗があるからこそ、上達もある。
「正解を知りすぎた」ことで話せなくなる paradox
私自身、英語もスペイン語も、最初に「読み書き」ばかりに集中してしまったことで、スピーキングへの移行にすごく時間がかかりました。文法的に正しい文章を頭で組み立てようとしすぎて、完璧でないと口に出せない、という変なブレーキがかかってしまうんですよね。でも、言語って本来は「伝えるための道具」であって、「正解を出すための試験」ではないはず。多少間違っていても、伝わることが最優先。むしろ、間違いをたくさんすることでしか、本当の意味での上達はないのだと、最近強く感じています。
間違える環境が怖くなければ、人はもっと時短で話せる
今日の多言語クラブのように、間違いをしても笑われない、否定されない、という環境って本当に貴重です。聞けば教えてくれるけど、あくまでそれは教えてって言ったら、です。語学は、失敗に対して寛容であること、そして失敗できる環境があることが、何よりの伸びしろになります。学生時代に「間違ってはいけない」という思い込みで固まっていた頃の自分に、今なら言ってあげたい。「もっとミスしなさい。恥ずかしがらずに声に出して」と。いや、もしかしたらそんなことは当時も伝えられていたかもしれません。でも「実践」にまでは至っていなかった。こうやってやるんだよ!めちゃくちゃでも話すんだよ!と背中でみせてくれる出川哲郎みたいな人もいなかったし…w
※多言語クラブにご興味あるかたぜひ声かけてくださいね。ホステルとは無関係のものです。
1. 多言語同時習得:英語だけでなく、スペイン語・中国語・韓国語・フランス語など複数言語を同時に聞く・話す活動を行います。言語ごとに分けず、すべてを一緒に学ぶスタイルです。
2. 年齢・経験不問:赤ちゃんから大人まで、語学の経験に関係なく一緒に活動します。家族での参加が推奨され、世代や背景を越えた交流が行われます。
3. 自然習得型(ナチュラルアプローチ):文法や単語を暗記するのではなく、聞いたりまねしたりしながら言語に「浸る」ことで、自然に言葉が身についていくという考え方です。
4. インプット重視:「話す」よりもまず「聞く」ことを大切にします。たくさんの言語を聞いて真似して、やがて自分の中から自然に言葉が出てくるのを待つスタイル。
5. 国際交流の重視:国内外のメンバーとの交流(ホームステイやキャンプなど)を通じて、「ことば=人とのつながり」という体験を大切にしています。
6. 間違いOKの環境:正確さよりも「伝えようとする気持ち」を重視。間違いを恐れずに話せる安心感のある環境づくりが特徴です。
最後に:語学の一番の敵は「安全志向」
語学の習得において、一番の敵は“安全志向”かもしれません。知っている表現ばかりを使い、知っている単語だけで済ませようとする限り、新しい表現は身につきません。

だからこそ、たとえ数語でも、新しい言語に触れてみること。初めての発音に挑戦してみること。知らない相手に話しかけてみること。それが、次のステップに進むための突破口になるのだと思います。
多分、実際に会話になると萎縮してしまうからこそ、「ホステルに遊びにおいでよ」と声をかけても、本当に来てくれる人って案外少ないのかもしれない。笑 知らない場所に行って、知らない人と話して、しかもその言語は母国語じゃないから得意じゃない……って、そりゃあ簡単なことじゃない。相当なエネルギーがいるし、自分が思うように話せなかったときのもどかしさや悔しさも、たぶんもう事前に分かっているんですよね。私はすごく理解できるんです。語学の一番のハードルって、語彙でも文法でもなくて、「話す勇気」なんだなって思う。
でもね、その一歩を踏み出した先には、ちょっとした感動や嬉しさが待っていることもあるから、焦らなくていいけど、いつかぜひその一歩を踏み出してほしいなあと思ってます。あなたもぜひ、たまには「知っている言語」から一歩出てみてください。コンフォートゾーンの外に、語学の本当の楽しさが広がっていますよ。