※詳しくは「このホステルができるまで」シリーズを読んでくださいw
日本において、簡易宿泊施設を開業するには、多くのハードルが存在すると言われています。これは、宿泊業法に基づく営業許可の取得や建築法の用途変更、保健所の指導や監視など、様々な手続きが必要になるためです。そのため、開業には多くの時間と労力が必要となります。
しかし、これらの手続きを正しく行うことで、安全かつ安心して宿泊できる施設を提供することができます。また簡易宿泊施設は、観光客の増加に伴い需要が再び高まっている魅力的な分野と思われることも多いです。本ブログでは、日本で簡易宿泊施設を開業するまでのハードルや、開業に必要な手続きなどをざっと解説しますね。
ハードルたち
★建物オーナー・近隣住民の反対: 近隣住民からの騒音や混雑などへの懸念が生まれやすいことが挙げられます。地域社会との調和を保つためには、事前のコミュニケーションや説明が必要です。マストです。嫌がられる業態である理由は明白です。日々不特定多数の人間が徘徊するから「何となく不安」だからです。
★営業許可:宿泊施設を開業する場合、営業の許可を得るために、保健所に申請する必要があります。営業許可の取得には、施設の設備や衛生管理、消防設備などについての審査が行われます。実際には都道府県の条例や規定があり、細かいルールは地域によってけっこう異なります。
★建築法によって、建物の用途を変更する場合には、市町村の許可が必要となります。簡易宿泊施設としての開業をする場合、建物の用途変更が必要になることがあるため、市町村の許可を得る必要があります。そのため、用途変更の手続きや規制について把握し、遵守する必要があります。また、建物の耐震性や消防設備の設置など、特定の基準を満たす必要がある場合もあります。
★消防法や建築基準法に基づき、防火安全対策が求められます。具体的には、火災予防対策、避難経路の確保、消火設備の整備などが必要とされます。
(衛生管理:宿泊施設においては、厚生労働省の基準に基づき、衛生管理が求められます。具体的には、清掃や消毒の徹底、朝食を出す場合には食品の管理などが必要とされます。)
★開業届出:税務署に提出する。これは開業のためというより納税とかのためです。
★資金調達:なんの手段で初期投資金額をカバーするのか…現実的な試算と、具体的な方策をまとめましょう。結局目の前にキャッシュがない限りなにも実現しません。具体的な資金調達方法は後日別途書こうかなと思います。
大事なこと
どこまで自己判断で手を出し、どこからが専門家の必要性があるのか、その線引きは非常に重要です。手続きや規制に熟知している専門家でないと話を取り上げてもらえない役所もあるでしょう。だいたい素人では無理=手続きや設備の設置には一定の費用がかかるため、資金調達や事業計画の策定も重要となります。とにかくまず信頼できる建築士さんをみつけましょう。なにからどういう順番ではじめるのか&誰がやることなのかをまず大掴みに決めないといけません。
当たり前なこと
当然、いい物件がなければできません。田舎の古民家を改装していいかんじにするとかそういう特殊なストーリーがなく、普通に都心部で開業を目指すのであれば、理解のある不動産会社やオーナーを発見する必要があります。当然公共交通機関からのアクセスがいい物件に限ります。
ホステルって儲かりますか?
正直に言いますと全然です!!!!w
ホステルは一般的に、ホテルよりも安価であり、共同のスペースを利用することが多いため、宿泊客一人当たりの収益が少なくなります。空室リスクも大きく、需要に合わせた柔軟な対応(※後述)が求められます。さらに、競争が激しいため、集客やサービスの提供にも力を入れる必要があります。どんなにガラガラでも施設の清掃やメンテナンス、スタッフの給与など、必要なコストは継続して発生します。そのため、ホステル経営は利益率が高いとは言えませんが、適切な経営戦略※を立てることで、「大きく儲かることはないが、持続可能なビジネスモデル」となれる可能性はあります。8年目のうちがそうですね。
柔軟な対応とか適切な経営戦略ってなに
なにに喜びを感じるか
ゲストハウスや小規模な宿泊施設を運営する場合、「収益」が主な目的となることは一般的には少ないんじゃないかと思うんです。利益だけを追求するならもっと他の事したほうが儲かりまっせw (よっぽど支店が多数あるような大規模なゲストハウス・ホステルチェーンとかでは、もちろん規模経済を生かし、収益を追求することもあるとおもうんですけど…)
ゲストハウスのオーナーは具体的には下記のような理由から事業を展開しているんじゃないかな?と。
①コミュニケーションと交流: ゲストハウスは、旅行者同士や地元住民と旅行者の交流の場として機能します=オーナーは異なる国や文化の人々と交流し、新たな友人やネットワークを築くこと自体を楽しみたいと思っている。
②旅行者へのホスピタリティの提供: ゲストハウスのオーナーは、旅行者に対して自分の地域や文化を紹介し、滞在をより豊かにする手助けをすることに喜びを感じることがあります。おもてなしの提供が主要な動機となります。
③趣味やライフスタイルの実現: ゲストハウスを経営することは、オーナーの趣味やライフスタイルを実現する手段である
④地域への貢献: ゲストハウスは地域の観光振興や地域経済に貢献することが期待されます。地元の飲食店や観光地と連携し、地域全体の発展に寄与することが目的とされることがあります。
私はまさに①②③のコンボでしょうね。③は結果的にそうなっているという程度ですが。①=毎月ちがうスタッフと働くのは飽きないです。お客さんは当然かわっていきますが、このスタッフをがんがん回すスタイルは本当に刺激的だなと思いますw